柔道整復師になろうと決めて柔整養成学校へ入学しても、既定のカリキュラムで学び免許を取得するまでの壁を越えられずに留年、停滞、脱落することがあります。その主な壁についてお話します。
学校入学→卒業→免許取得の途中で脱落する壁
柔整養成学校に入学してから国家試験合格までに立ちはだかるハードルをその脱落率と共に挙げてみます。
※脱落率は個人的な試算です。
入学
脱落率 0%
(誰も脱落しない)
柔道整復師になろうと決めたらまずは柔整養成校への入学です。
金儲けに突っ走り柔整養成学校が粗製乱立した名残で定員割れが常態化し、入学者=学費を払ってくれるカモを獲得しようと必死です。今では面接と書類選考だけでほぼ誰でも入学できます。偏差値30程度の高校生でも面接と書類選考だけでほぼ確実に合格出来る(学校経営の都合で合格させる)ことから、ほぼ100%の確率で誰でも入学出来ます。壁もハードルもありません。
当然ですが入学金や授業料等のカネを払うことが前提です。カネが無くても奨学金や給付制度等の活用を学校から懇切丁寧にサポートしてくれます。
入学試験に落ちた例は近年では全く聞かなくなり脱落率 0%です。

進級(留年/卒業不可)
留年率 0-50%程度
(学生の学力により変動)
何の苦労もなく柔整養成学校に入学した後は、最低限の専門知識を積み上げながら1年次→2年次、2年次→3年次、 3年次→4年次(※4年生大学等)と進級/卒業する必要があります。
Fランク大学と同等かそれ以下の学力のまま入学してから授業を受けてもテキストの漢字さえろくに読めず、授業についていけない、基礎学力が身に付かない等の理由により進級/卒業出来ずに留年する学生が一定数出るのが現実です。
学校の方針や学生の学力により変動があり留年率 0-50%程度と大きな幅があります。

中退
脱落率 5-20%
(学生の意思と都合により変動)
進級や卒業が出来なくても学籍は失いませんが、学校そのものを辞める中退という選択もあります。
意欲を失う、他業界の仕事に就く、別の学校へ進むなど理由は様々で、留年を重ねて奨学金の上限に達してしまい学費が払えず自主退学というケースも実際に起きています。
中退は個々の学生の意思や都合で決まるものであり中退率 0-20%程度と幅があります。
学校によっては中退者数/中退率/中退理由を公開しています。

実技認定試験
脱落率 1%未満
(ほとんど脱落しない)
3年次(専門学校/短大等)または4年次(大学学部等)に実施される実技試験で国家試験の一部です。
実技と口述のみでの試験となり準備をしておけばほぼ全員合格出来ていて、ここでの脱落率 1%未満です。

受験資格(足切り)
脱落率 0-50%程度
(学校の方針と学生の学力により変動)
国家試験直前になり卒業は出来るけど、その時点の学力では国家試験に合格しそうにない学生の受験資格を制限する、いわゆる足切りが行われる場合があります。
各学校により対応が異なり、足切りを全く行わず全員を受験させる学校もあれば、確実に合格出来そうな学生以外は容赦なく足切りする学校もあります。
これは国家試験合格率が低くならないようにするための対策であり、ほぼ学校側の都合のみで足切りが行われます。
足切りは正確な統計は公共されていませんが学校の都合により国家試験が受験させられず脱落率 0-50%程度と幅があります。過去には80%程度の学生が足切りされ国家試験を受けられなかったという話もあります。

国家試験
脱落率 0-100%、平均30-40%程度
(受験生の点数により変動)
毎年3月に実施される国家試験(筆記試験)です。
柔整養成学校は卒業するだけではほとんど意味が無く国家試験合格こそが最終最大目的であり、かつ最終最大の壁です。
入学から卒業まで学校の手厚いサポートを受けてきた受験生は国家試験だけは自力で合格点を取らなくてはいけません。過去には国家試験漏えい事件の恩恵を受けて合格出来ていた犯罪行為が横行していましたが、今はその手が通用しなくなりました。
新卒の受験生が不合格となり既卒として受験すると合格率は極端に低くなります。
国家試験全体としての合格率はおおよそ60%台で脱落率 30-40%程度です。
大幅な足切りをした学校が合格率100%に達したり、既に廃校になり既卒受験生だけの学校は合格率0%という場合もあります。
新卒

既卒

免許を取った後も業界からの脱落者が多い現実
様々な壁を乗り越えて柔道整復師免許を取ってもまだ大きな壁が続きます。
正確な統計はありませんが、新人柔整師が柔整業界で働き始めてから数年以内に半数以上が柔整業界を去るといわれています。
入学→国試合格→就職までのイメージを大雑把な図で表現してみました↓

高校時代にろくに勉強しないまま異常にハードルの低い入学試験に合格しても、留年・中退・足切り・国試不合格という現実が高いハードルとなって立ちはだかり、柔道整復師免許を取った後も柔道整復術(外傷治療)の仕事はほとんど無いまま根拠不明の整体回数券を販売させられたり受傷原因を捏造しての不正請求をさせられ、心も体も病んで辞めていく柔道整復師が無数にいます。
柔整養成学校入学→柔道整復師免許を取るまで何度も壁を越えてきた先にもろくな人生や仕事は待っていません。人生において壁に突き当たったりハードルを越えなくてはならないことは何度もありますが、その壁の向こう側にある柔道整復師業界は時代の役目をとうに終えた不毛の焼野原です。
安易に柔道整復師を目指してしまうと貴重な人生のうち特に体力や知力がピークの10代20代の時間を棒に振ることになります。
進学を考えている皆さんにはこんな柔整養成学校への進学・柔整業界へ進むこと自体を考え直してみてはいかがでしょうか。




コメント