柔整報道

【柔整報道】[詐欺]交通事故患者の保険金詐取した業界団体財務部副部長の柔道整復師を逮捕 2020.11.01

各種メディアから配信された柔道整復師が関わる報道です。
配信元で実名・施術所名が明記されていても当サイトでは伏せて引用する場合があります。

報道

2020年11月に大手メディアで報道された柔道整復師による保険金詐欺です。

最初の逮捕報道

保険金水増しで詐取疑い 整骨院経営の男逮捕 奈良・橿原署
2020.11.01
交通事故でけがをした患者の通院日数を水増しして損保会社に保険金を請求し、約23万6千円をだまし取ったとして、奈良県警橿原署は1日、詐欺の疑いで同県橿原市の「xxxx鍼灸整骨院」経営、O.S.容疑者(53)を逮捕した。
 逮捕容疑は、昨年11月~今年1月に39日間通院した女性患者の通院日数を8日間水増しした施術証明書を提出し、保険金をだまし取った疑い。

産経WESTより引用 https://www.sankei.com/west/news/201101/wst2011010010-n1.html

再逮捕報道

整骨院経営者 詐欺疑いで再逮捕
2020.11.24
橿原市で整骨院を経営する男が交通事故でけがをした患者の治療期間を水増しし、保険会社から30万円余りの保険金をだまし取ったとして逮捕されました。
逮捕されたのは、田原本町の整骨院経営、O.S.被告(53)です。
調べに対し、O.S.被告は容疑を認めているということで、警察は、ほかにも同じ手口で水増し請求をしていたとみて調べを進めています。

NHKより引用 https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20201124/2050005743.html

事件の概要

奈良県橿原市内の整骨院で、
院長の柔道整復師が、
交通事故でケガをした患者の通院日数を水増しした施術証明書を提出する等の手口で、少なくとも2件の詐欺で約53万円の保険金等を詐取しました。

逮捕容疑は詐欺(交通事故保険金詐取)です。

犯行は2019年2月以降に行われました。
逮捕は2020年11月です。
この柔道整復師は容疑を認め、この他にも余罪が追及されました。

容疑者

柔道整復師 O.S.容疑者(53) 奈良県磯城郡田原本町在住
です。

犯行が行われた奈良県橿原市内の整骨院を経営する院長でした。

報道された時点で業界団体の地方支部である奈良県xxxxx会に所属し財務部副部長に就いていました。

財務部
部長:xxxx(xx支部・xx市)
副部長O.S. (xx支部・xx市)

報道後は所属会員の施術所一覧から容疑者の名前と施術所が削除されています。

被害者

交通事故保険金を不正請求され支払わされた損害保険会社です。

その他関連情報

事件の概要

・2019年11月~2020年1月に、39日間通院した女性患者の通院日数を8日間水増しした施術証明書を提出して保険金約23万円を詐取
・2019年2~3月に、別の患者の通院日数を水増しした施術証明書を提出して保険金約30万円を詐取

報道されている容疑はこの2件で、この他にも余罪が追及されました。

犯行が行われた整骨院

O.S.容疑者(53)が院長を務めている整骨院は奈良県橿原市内にあります。

xxxx鍼灸整骨院
奈良県橿原市葛本町xxx-x

この整骨院は容疑者が開業した個人の施術所で、施術所名称は容疑者の本名が由来となっています(名称は伏字にしました)。
専用駐車場(3台)の奥に平屋の施術所があり、道路沿いに青地に白文字の看板が立っています。

整骨院公式ホームページには院の概要の他、容疑者の顔写真やメッセージが掲載されています。

整骨院facebookアカウントは概要のみが掲載され2017年以降は全く更新されていません。

所属していた業界団体のキャンペーン

容疑者が財務部副部長に就いていた奈良県xxxxx会では、特殊詐欺被害防止啓発ポスターを作成・公開し
「あなたの財産が狙われている!」
「特殊詐欺を抑え込め!」
というメッセージと共に柔道着を着た柔道選手が抑え込みをする画像が使われています。
このことから、業界団体として他人の財産を詐取するような犯罪を絶対に許さない強い姿勢が伺えます

事件後の経過

逮捕後の報道は見つからず事件後の経過についてはほとんど不明です。
しかし、その後の経緯を示すような情報がありました。

厚生局から公的健康保険取り扱い制限

近畿厚生局が2023年3月15日付けで、柔道整復師 O.S.容疑者(55)に対して受領委任の取扱いの中止および中止相当の2件の措置を発表しました。この容疑者は公的健康保険の取り扱いも制限されています。

中止相当の措置

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いの中止相当について
令和5年3月15日

1 受領委任の取扱いの中止相当となる柔道整復師
氏名 O.S. 55歳
施術所名 xxxx鍼灸整骨院
所在地 奈良県橿原市葛本町
開設者 O.S.
※当該柔道整復師は、令和2年11月30日付けで受領委任の取扱いを辞退していることから中止相当としている。

2 受領委任の取扱いの中止相当年月日
令和5年3月15日
(当該柔道整復師は、原則として以後5年間は療養費の受領委任の取扱いができない。)

4 監査を行うに至った経緯
交通事故後の治療で来院した患者の治療日数を実際より多く保険会社に請求し、保険金をだまし取ったとして、保険金詐欺容疑で逮捕されたとの新聞報道があり、療養費についても不正に請求していることが疑われたことから、当該柔道整復師に対して監査を実施した。

5 受領委任の取扱いの中止相当に至った主な事由
(1)不正事項
実際の施術日以外に施術を行ったものとして、施術日数を付け増して、療養費を不正に請求していた。
(2)不当事項
初検時相談支援料について、患者へ説明した内容を施術録に記載していないにもかかわらず、療養費を不当に請求していた。

近畿厚生局より引用 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/gyomu/hoken_kikan/fusei_seikyu/000268700.pdf

中止の措置

柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いの中止について
令和5年3月15日

1 受領委任の取扱いの中止となる柔道整復師
氏名 O.S. 55歳
施術所名 xxxx鍼灸整骨院
所在地 奈良県橿原市葛本町
開設者 O.S.
※当該柔道整復師は、令和2年12月1日付けで近畿厚生局及び奈良県に受領委任の取扱いを申し出ている

2 受領委任の取扱いの中止年月日
令和5年3月15日
(当該柔道整復師は、原則として以後5年間は療養費の受領委任の取扱いができない。)

4 「受領委任の取扱い中止」に至った主な事由
xxxx鍼灸整骨院」(元施術管理者:O.S.)における柔道整復師の施術に係る療養費について、近畿厚生局と奈良県が元施術管理者に対して監査を実施した結果、不正な請求を行っていたことが判明したため、当該元施術管理者について、現在柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いを承諾していることから、今後、取扱いを認めることが不適当と判断した。
不正請求の内容については、受領委任の取扱いの中止相当措置とした「xxxx鍼灸整骨院」を参照

5 その他
受領委任の取扱いの中止相当措置とした「xxxx鍼灸整骨院」は、令和2年11月30日をもって、受領委任の取扱いを辞退している。

近畿厚生局より引用 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/gyomu/hoken_kikan/fusei_seikyu/000268701.pdf

この容疑者は逮捕された2020年11月の月末(令和2年11月30日)に受領委任の取り扱い辞退(公的健康保険取り扱いを自主的に辞める)をして、その翌日(令和2年12月1日)すぐに受領委任の取扱い新規申出(公的健康保険取り扱いを再開する)をしています。
これは保険金詐欺事件での逮捕により公的健康保険も使えなくなると予測した容疑者が、11月30日に一旦リセットさせる申請をして、次の日12月1日にまた公的健康保険の取り扱いが出来るよう申請し直して延命を図ったものと推測されます。
しかしながら厚生局がそんな小細工を容認するわけがなく、令和2年(2023年)の11月30日辞退までについては中止相当・12月1日の再申請については中止と措置が取られました。
近畿厚生局のサイトには同じ柔道整復師・同じ施術所・同じ措置年月日で中止中止相当が並ぶ珍しいケースとなっています。 

整骨院は同じ場所で営業継続

公的健康保険が使えなくなった後も、犯行が行われたxxxx鍼灸整骨院は同じ場所・同じ外観でそのまま営業が続いています。この整骨院で保険取り扱いがどのような対応になっているのかは不明です。
公式ホームページも報道前と内容がほとんど変わっていません。

日本損害保険協会から警察へ感謝状

この一連の事件について、日本損害保険協会近畿支部から奈良県警に対し感謝状が贈呈されています。

保険金詐欺事件検挙で奈良県警に感謝状贈呈
2020.12.22
日本損害保険協会近畿支部では、12月18日(金)に奈良県警察本部交通部交通指導課および橿原警察署に対して感謝状を贈呈しました。
本件は、整骨院を経営する男が交通事故でけがをした患者の通院日数を水増しし、保険会社から保険金を詐取した事件を立件いただいたことに対して、社会公共性の高い損害保険事業の健全な運営に多大な貢献があったとして、感謝の意を表したものです。
日本損害保険協会では、健全な損害保険事業の運営を行うため、日頃から警察本部等関係機関と連携を図っています。今後も各警察本部等と連携しながら、不正請求の排除に向けて取り組んでまいります。

一般社団法人 日本損害保険協会より引用 https://www.sonpo.or.jp/news/branch/kinki/2020/2012_05.html

同協会および同県警は以下のような声明を発表しています。

日本損害保険協会近畿支部 奈良損保会会長
「保険制度を悪用し保険金を詐取する行為は、他の善良な保険契約者の保険料引き上げに繋がることになる。粘り強い捜査により事件を検挙し損害保険事業の健全な運営に多大な貢献をしていただいた。」

奈良県警察本部交通部長
「損害保険は社会的にも重要な制度と認識している。県警としても交通事故の抑止を通じて不正請求を排除していきたい。」

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